ルーヴル美術展でヴィーナスへの解釈が変わった話

こんにちは、エミです。
前回のブログの続きではありますが、こちらは京セラ美術館で現在開催されているルーヴル美術展の感想ブログとなっております。

※このブログ記事単体で読めるようになっておりますので、ご安心くださいませ。

 

kyotocity-kyocera.museum

 

 

昔叶えたい事ノートに書いていた願い事「フランスに行ってルーヴル美術館の作品を見に行きたい」という夢が、一部日本で叶ってしまった

 

久しぶりに来た京セラ美術館(旧京都市美術館


そもそも何故今回ルーヴル美術展へ行こうと思ったかと申しますと、私が20代半ばの頃に書いていた【叶えたいことノート】の願い事の一つに「フランスに行って美術館を見て回りたい」という文言が書かれていたのを、7月あたりに断捨離しまくっていた際に見つけたんですよね。

私、中学生の頃は3年間美術部員でして、部活や授業で思いつきで絵を書いたら、知らない間に展覧会とかに出されて何か賞もらったりしてるような奴だったんです。(あの頃は才能爆発していた)

基本的には絵が好きなのですが、物によっては彫刻や立体アートも好きだったりします。

そんな私が20代半ばの頃に書いたノートに、フランスの美術館で美術品を見て回りたいという、実にファビュラスで洒落た願望をしたためていたので。
ふと、そういえば京都にルーヴル美術展が開催されると電車の広告で見たなーってことも思い出したため、間接的に自分の夢を叶えようかと思い、前売りチケットを購入してワクワクしながら行ける日を待っていました。

 

美術館で作品を見るのも、趣味として結構楽しくて。
今の自分の心に残る作品に出逢いに行く気持ちって、まるで楽しみにしていた映画を見に行くのと同じくらい嬉しいものなんですよね。伝わってほしい……この気持ち。

 

リニューアルされた京セラ美術館に、今回初めて行ったのですが、とてつもなく綺麗で日本に居る感覚ではない空間に圧倒されました。旧京都市美術館の時に行ったことがあったのですが、それもかなり昔だったことと、少し雰囲気が暗かった印象があったのですが、リニューアルされた後は明るい印象が残る、素敵な空間となってました。

 

ルーヴル美術展の今回のテーマが「愛を描く」でした

私的には、ヴィーナスへの解釈が色んな意味で変わってしまった美術展でした

最初のエリアは、ギリシャ神話やローマ神話を基盤にした「愛」を描いている作品が目立っておりました。

ヴィーナスの息子アモル(エンジェル)が、美しい人間の娘プシュケに恋をしないように、プシュケの持つハートの的に鉛の矢を差す様に指示したのに、何を間違ったのか金の矢を放って見事当たってしまい、アモルがプシュケに恋をしてしまう様子を描いた絵が一番最初に展示されていたのが、とても印象に残っておりました。

(金の矢を差すと、的に差した本人が恋に落ちてしまい、鉛の矢を差すと、的に差した本人がその人のことを嫌いになるという設定だそうな……つまりプシュケ→アモルラブではなく、アモル→プシュケラブって事になるのです。どこの国も神話ってめちゃくちゃ)

息子アモルに、プシュケへ恋心を抱かないように鉛の矢を放つように指示したのに、アモルは金の矢を放って的に命中させてしまったもんだから、母ヴィーナスは怒ってしまった。


というのも、ヴィーナスが何故プシュケをそこまで嫌うのかと言うと「私よりあの娘の方が美しいから嫌い!!」が理由なんですって。

 

怖い。お姑さん怖いよ。

 

小さいですが、この絵が「プシュケの的に金の矢を放つアモル」の様子が描かれた絵です

この美術展でそもそも初めて知ったのですが、エンジェルのお母さんてヴィーナスなんですね。しかもアモル何人も居てる。それがとても不思議でしたね。

そんなこんなで、ヴィーナスはプシュケに「うちの息子の姿を目視したら、すぐ息子を天界に帰すから絶対に見るな!」っていう無ッッッ茶苦茶な要求をして、プシュケにとっても大好きなアモルなのに、顔も姿も見られないと言う非常に辛い関係になってしまっているところを描いた作品も印象深かったなと思います。

 

が、当のヴィーナスはと言いますと、夫の神様がいるのにも関わらず、平気で不倫や浮気を繰り返す女なんですよね。

おいいいいいいいいいいい!!!

ヴィーーーーーナスーーーーー!!!

筋が通らねえええええええええええええ!!!!!

 

と、そんな嫁に厳しく自分には超甘いヴィーナスの様子も描かれた作品(不倫している様子の絵もありました)を見て、ヴィーナスへの解釈が私的に変わってしまいました。

 

女神様めちゃくちゃ、自分以上に美しいものへの嫉妬心怖すぎ。

 

そんな新解釈や教養を得られるのも、美術館ならではだなと私は思っています。

 

他にも個人的に面白いなと思った「愛」の解釈

ヴィーナスとアモルとプシュケ以外にも、時代と共に愛の解釈が変わっていく様を見られたのも面白かったです。

例えば、男性は力強く暴力的な愛・女性は妖艶で色気で誘う愛が主流とされていた時代があったり、親子愛が描かれていたり、宗教画から見受けられる愛があったりと、愛の価値観が実は普遍的とは限らないところが考えさせられました。

時代背景もあるでしょうし、戦争や争い、もっと身近に落とせば一途な恋愛〜浮気・不倫などを経て、私たちが思う愛の価値観は変わっていくのかも知れない。

 

まあ、もう昔から浮気や不倫などを題材にした絵画が存在しているってことは、ある意味今後も無くならないジャンルの恋愛なんでしょうけどね……つら。

けれどもそういった事も踏まえて、いろいろな作品を通して自分の考えに触れられる機会があって、よかったなと感じています。

アモルとプシュケが描かれた看板。
この絵は解釈を見てから見ると非常に切ない気持ちになる。

9月24日まで開催中なので、気になった方はぜひ訪れてみてください!
いろいろ解釈が変わって面白かったです!

 

ではまた!